「野原があるところ」「もっと空が広いところ」
とまさみくんは何度もいった
おおきな空と野原を求めて北国に辿りつくと
「せかいの半分は空なんだね」となんだか納得したようだ
澄んだ空気と光を隅々まで巡らせ
土を歩いて 植物たちに顔をよせる
いつも純粋で愛おしい存在
かわいい動物たちの目を見てたわむれる
人間の思考-植物- や 感情-動物- の表れである彼らの 溢れるいのち
それら投影を曇りなく感じ思考して暮らす
わたしとあなたの交流から育つ思いやりを大切にして
人間と動物と植物とともに
健やかな精神と伸びやかな身体を死ぬまで存分に動かし、考え
心に在り続けた景色を少しずつ、ゆっくりとつくっています
長野の空家を掃除した
変わりゆく体感はおもしろいものでした
この家は床も畳も壁も柱も天井も
なんども雑巾で拭いました
とくに土がつもったような物置部屋は糞尿の匂いが残りました
わたしたちは
カビを纏い埃まみれになり
ゴミをよけ
何度もなんども拭いました
すると木の香りがした瞬間があり は と気づきます
うん、まちがいない
雑巾の下から覗く木の板はふれるとすべすべになっていて
艶がでて光っています
床板からの香り、木が息を吹き返した瞬間でした
わたしたちは
闇にふれ
風を通し
場を整えてきたんだとわかりました