つくりなおした身体への信頼
ひとまわりしていたのか◯
震災前から不調が出はじめて12年前の今ころは
思うように動かなくなった身体と
制御できない心と とまらない涙
はて これからどう生きていくのか?と
自分の状況を客観視するために あらゆる本を読み
当てはまることに線を引きつつ
解剖学や生理学の授業についていけるように教科書をめくっていた日々
繊細になりつつ 人間への興味が尽きない好奇心は兎みたいだったな
と 秋の風を感じ思い出したのでした
生まれた時からあったはずの
自分の身体と心をきちんと認識して生きるようになったのは
28歳で起き上がれなくなったからこそです
身体が丈夫なだけが取り柄だと思ってきた自分の崩壊があって
その中で
人体と精神 西洋医学と東洋医学を学び
自分の感覚と結びつけ
改めて身体をつくっていく 作業に入りました
そうして模索していくうちに
「人は何故生きるのか?」と子供のころの疑問を改めて
素直に意識するようになりました
翌年の冬には正観くんというパートナーと共に過ごすようになり
「なぜ人間をやっているのか?」という疑問をもつ彼と
それぞれの命題を深めていきました
身体に良いもの みたいなものは調べ尽くしたし
ひとつずついろんな健康法をふたりで人体実験して
極端なこともたくさんやって周りを困らせたりもしたけれど
やっとこ
『わたしたちの景色』
というものが
たしかに見えてきました
あのときの絶望があってのいま
長かったような
あっとゆうまだったような
すべてが大切なことだったと感じますし
とにかく 無駄なものはひとつもありませんね
再び こうして
外へ出てのびのびと働けるようになった
この奇跡はうれしく
草取り 収穫 芋掘り 搾乳、、、いろいろさせていただけることの
ほんとうにありがたいこと
肉体を 今のめいっぱいに動かせ
どんな揺らぎも懐深く認めてあげれる
それが基盤となり
身体と心が健やかであれば
生きる希望 は自ずと湧いてきます
経験をもってそう言えます
身体をつくってきたことは 自信に繋がっていて
いま 素晴らしい性能を備えた身体への信頼は最高です
この愛おしき身体を通し 動かし 脈打ついのち
わたし あなた(わたし以外)との交流から生まれる 景色
ふたりから見える景色をつくっていきたい
このところはそんなふうに話しています
photo by Yuri Kawabe