わらび ふきのとう
ふと思い出すごはんがある
皐月のこと
友人がわが家へ滞在中 裏山で一緒にとったワラビを
アク抜きして茹でてさっと和えてくれたものが
なんだかとてもおいしくてありがたかった
初めての田んぼに いっぱいいっぱいで
揺れていて
でも大好きな友人が来てくれて
料理してくれて
いろんななにかがとけ合って
あのごはんはありがたかった
いまふと 涙があふれる
昨年は濃すぎて
せわしなくしてしまったなぁ
と このところ思い出すようになった
ひとつひとつその時の全力で
大切なじかんを過ごしてきたものたち
こうして落ち着いたとき
風の音をききながら
波を感じて
こまかくふるえるように
湧きおこるような感動になってやってくる
庭の蕗のとうがひらいた
いくつもいくつも
ぽこぽこと
湧いてくるように
春はやってくる
ワラビはさいごのほうに
うつむいたあたまをぽこぽこ出してくる
梅の木もほんわか色づいて
オイヌノフグリもぽろぽろ咲いて
寒くなるとみんな枯れたりして
また温かくなったら葉がひらいて花咲いて
さむくなったり
あたたかくなったり
くりかえし様子をみながら
ゆっくりゆっくりやってくる
蕗のとうから
山菜のはじまり
やぁ はじまっちまった
いつまでも冬のまま温かくくるまっていたいのだけど
少しずつ身体をのばして
少しずつ大きく動いて
春だ はるだよ