布と衣の逃走セット
photo Marina maruyama
施術のためのものを
わたしたちの尊敬する友人につくっていただいています
敷き布 かけ布 クッション 衣
敷き布とクッションを
絲室の磯部さんにお願いしました
やわらかい手紡ぎのカディにぜんしんを包まれると
ほわほわ
ほかほか
生まれたての
赤ちゃんのようなここちになります
はじめて包まれたとき
目をつむり 布の上から手でふれられると
直接ふれるよりもほんよりと感じられ
涙がにじみました
また腰痛のかたや妊婦さんなどうつ伏せになれないかたのために
クッションもつくっていただきました
横向きでマッサージするためにバッチリな大きさとかたさです
施術中にお召しになる衣は 野原の健司さん野原さんにつくっていただきました
https://hoshiboshi-nohara.com/
美しい手しごとによる衣は
かるくて きもちよくて
まとうだけで スンッ とします
「こんなにきもちよいものを着れるなんて」
と施術のまえからみなさんよろこんでおられます
身にまとった姿とみると こちらの心まですっきりするので
お互いに準備が整った と感じます
衣はオイルマッサージや鍼灸もできる仕様です
わたしたちはお客さまが目をつむっている間 命をあずかっています
2011年の震災を経験したとき
幸いサロンにお客様はいなかったのですが
オイルマッサージを日本で行うことへの大きなハードルを感じました
それ以来ずっと「もし施術中に地震があっても逃げられる衣をつくりたい」
と 願ってきました
10年かかってしまいましたがこのセットがあれば
野原の衣 に 絲室の布 を身体にくるんで逃げることができるので
わたしたちも安心して施術ができます
違和感をひとつずつへらし
安心をひとつずつふやす
このセットのおかげでわたしたちの技術が活かされます
包まれてみると
– わたしは心地よい存在である –
ということを
肌で感じられます
洗濯が乾いて
とりこむとき
たたんでいるとき
布たちにかおを寄せて
空気をすい込むと
ほんとにお願いしてよかったなと
いつもいつもこの布たちを愛でてしまいます
大切なたいせつな 相棒たちです
photo Ayaka Onishi