プレゼント
誕生日プレゼントは大西さんの田んぼにかずちゃんと行くことにする
29歳の誕生日をまえに正観くんはそう伝えてくれました
ふたりで過ごすようになってから自分の誕生日プレゼントは自分で決めるということにしていて
それは景色でも物でも食べものでも
ぐうたら休むでも経験でも
なんでもよし◯というもの
そしてふたりで電車とバスを乗り継ぎだいぶ歩きたどり着く
大西さんの自然栽培の田んぼで草取りをして
大きなおおきな ぽよん とまぁるい
夕陽をみんなで眺めたあのときが
ふたりでふれ光に包まれた 田んぼのはじまりだったと思う
もう7年も前のこと
3月に大ちゃんが「田んぼやりますか?」と声をかけてくれました
耕作放棄の田んぼがあるとのこと
田んぼとはこうして突然やってくるものなのでしょうか
少し遠いものと思っていたからうれしいなうれしいな
稲の民になれるのかと悦びがとまらずでした
田んぼを見に行くと
山に包まれるような地形であたりを広く見渡せるところ
浅間山がきれいに眺められ
直線でなくカーブがあるかたちが美しい棚田
鹿の足跡を見て山から降りて来る姿が目に浮かびます
3月あたまに高知へ訪れたとき 友人が散歩につれてってくれた先に
まさに山に包まれるような小さな区画の田んぼたちに出会い
「こんな田んぼいいねぇ 理想だね」
と話していたのでなんだか近い景色が現れてうれしいものでした
七畝(ななせと読む、一反の7/10の大きさ)の田んぼはじゅうぶんすぎる大きさ◯
「おかなえかぁ」
お借りした田んぼまで少し距離があるので畑で苗を育てるアイデアを大ちゃんからいただき実践していたところを 裏に住む農家のプロが見てくれました
彼が子供の頃はみんな手植えだったこと 足踏み脱穀機で脱穀してたこと 区画整備される前の棚田のこと
ずっと昔に見てきた景色を思い出しながら つい数年前に越してきたわたしたちに話してくれることがうれしいものです
わたしたちが住むところは彼の田んぼに囲まれていて その働きぶりのものすごいこと
もうね このひとすごいなぁって
ほんとうに素直に 頭が下がっちゃうんです
心から尊敬するご近所さんです
さて稲ちゃん
ふたりで塩水選して芽出しまで浴槽保管のため風呂に入れず そして畑に苗代をつくり
温泉水に浸けて籾まきをして不織布をかけ葉っぱが出るのをまつ
ちょうど暑くなる日が多くて やれどのくらい涼しくしようか、あったかくしようか、と
まるで赤子を面倒見るかのように過剰なほど見にいっては
トンネルのポリを開け閉めしてしまいました
そして稲がぴょんぴょん出てきたときの可愛いこと!
というのもつかの間、、さすがの「おかなえ」雑草たちの生育も◎
友人は「これは大変だなぁ」「初めて見るなぁ」「ちゃんと伸びてますね」など初めて見る畑の稲の様子を見にきてくれました
ハサミでちょきんちょきんと草を切りそれを草マルチにして を日々続け
苗完成◯
プロにも「あれだけ育てば大丈夫だ」と言ってもらいました
溝を掘ったり畔シート張りを習ってやってみたりしましたが
田おこしや代掻きなど大ちゃんにお願いしたのでその協力なしにはできないということにも改めて気づかされ お手伝いだけでは見えないものが見えました
そして 2022.6.8 ようやっと田植えができました
お手伝いしてくれた友人たち
はじまりに立ち会ってくれてありがとう
泥の田んぼに入ることがとても大切なことだと思っているの
一緒に入ってくれてうれしかった!
あぁ稲ちゃんたちよ 育つのがたのしみだよ
お米は無事に育ったでしょうか?