あなたの 瞳に映るもの
施術の姿や施術を受けて見える景色などを
大西文香さんに撮っていただきました
わたしたちの施術は その背後にあるすべてと共に一つのいのちと交流するわけですが
この身体の瞳から見える景色以外を見ることはできないので
施術の姿 を俯瞰で見るというのは実は初めてのこと
感覚と想像でしかなかった “ふれる行為” に他者の視線を見ることができました
その場に生き在るもの
寄り添いともに過ごすものたち
すべてをふくんだ空気を 写真を通して確認したとき
「このままでよかったのだ」と
ほっ と 安堵したのでした
文香ちゃんが伝えてくれたように
見る人への想像に委ねることができるような
実際にふれられる瞬間にその想像との答え合せができるような写真たちは
一枚いちまいの写真の中に何度佇んでみても飽きず
その日の心の在りようによって変化しとても楽しめるものでした
うまく言葉にできないのですが
彼女の写真に感じたのは 霊でした
この世界を生きるとき
施術をしているとき
土にふれているとき
いつも五感にとらえられる以外のなにか の気配を感じます
とくに 見えないものが見えたり
聞こえないものが聞こえたりという
わかりやすい感覚は私たちにはないのですが
でもたしかに宿るものや 翔び交うもの
ふれた先にある、ふれている以外の脈打つもの
人間のということだけではなく あらゆるいのちの 存在
それをきっと霊と呼ぶのではないか と考えるのですが
彼女の写真にその存在を感じました
失礼かもしれませんが
わたしたちの施術と少し似ているかもしれないと思ったのです
わたしたちがただホースをまっさらにして意図せずふれるように
目の前の身体にしたがって導かれて ただ手を動かすように
もしかしたら彼女も
その存在たちに導かれ瞳を向け映しているのかもしれないと感じました
ひとつのいのちの感覚を通して他のいのちへと繋がること
素直で大切なことに思います
たくさんのいのちある写真たち たからものです
文香ちゃんと過ごした時間はあちこちの小さな光に気づくことができ とてもたのしかったです
ありがとう ありがとう
大西文香
2021.9 森の小屋のデッキにて4hands care / photo Ayaka Onishi