麦踏み

 

 

「これそろそろ麦踏みだね」

 

と母はわたしが育てる麦を見てにこにこ言う

 

「小麦もつくってたの?」

 

母「うん 小麦と大麦と蕎麦もね」

 

 

祖父母の家は米も果樹もなんでもあった

このひとはほんとに
なんでもつくる家で育ったんだな
土台が安定してるんだと感心する

 

田んぼに広がる蓮華の花の美しさも

たくさんの動物と暮らす朗らかさも

そこから変わってゆく景色も

近所のおじさんの話と同じ
景色が似てると暮らしも似てる

 

まさみくんの秋田の祖母の家には時計型の薪ストーブがあったことも寒冷地にはおなじ景色のよう

田舎はみんなおなじようなくらしだったんだ

 

ここに住んだのはそんな暮らしをわたしたちが少しでも体験したかったからかもしれない

東京オリンピックで変わっていったこともおなじ

そんな話はこちらから聞くと思い出しながら話してくれる

 

 

長野来てよかったな

 

 

「干し芋もつくってたのー?」

 

母「うん やってたよー」

 

とぽかぽか太陽にあたりながら
茨城名物の干し芋を茨城出身の母の前でひっくり返し

10月がおわりました🍠