慰霊碑
村いちばんのお祭り、やまべ放流祭の放流と慰霊碑での祈祷が雨で中止になった帰り道
一緒に働くよしさんが
「ちょっと、慰霊碑寄ってくかい」
というので
「ぜひ行きたいです」
と返事をしました
「この辺なーんか怖いだろう 熊がいるからなぁ」
とよしさんが言う森を見ると
大きい獣道がはっきり見える、、、ほんとだ
ここを歩いているんだなぁ
帰り道の途中にある慰霊碑に車を停めました
ヤマメやニジマスの稚魚を放流するお祭りは昭和47年からはじまり
今年は51回目でした
つかみ取りや塩焼きなど子供も大人も楽しめて、昨年の50回目はなんと8000人が訪れたそう(村の人口は3800人)
やまべ、は ヤマメ がなまったんだ
と教えてくれました
札内川園地キャンプ場のはじまりは
年一回きり使う放流祭の駐車場をなにかに使いましょう、ということではじまった無料キャンプ場(現在は有料)です
いろんなキャンプ場を訪れた人からは「奥深い自然なのにとてもひらけていて、明るいところ」と話を聞きます
先日はキャンピングカーで旅していた80歳のご夫婦がさいごに訪れるキャンプ場に決めていたんです、と来てくださいました
とっても素敵な栃木のご夫婦でした
ここにはピョウタンの滝という観光地があり
アイヌ語の「ピヨロコタン」小さな砂地のコタンが語源
まだ電気の届いてなかった昭和30年に村民がお金を出し合い発電所をつくるべく
ダムを建設しその下流に念願の発電所が完成しました
村に電気が灯り大きな悦びもつかの間
なんと 翌年の集中豪雨の洪水被害によりダムも土砂に埋まり発電所も流されてしまいました
ダムは後にさらに上流に建設されましたが
被害に合った最初のダムは「ピョウタンの滝」として残っています
人間と自然がつくった大きな滝です
ダム建設には少なくない人が殉職しており
また 険しい日高山脈へ登山に行く人、雪崩事故や熊被害もあり
慰霊碑に鎮められています
「あぁ もう蕗が出てきたなぁ ついこの間刈ったばかりなのに、この時期はよく伸びるからなぁ」
雨のため祈祷に集まることはありませんでしたが
よしさんたちが草刈りをきれいに終えて
慰霊碑にはきれいなお花が添えられ
とても美しく整えられていました
美しく保つということや
こうして立ち寄らせていただくことに
この場への敬意や共に働く者への思いやりを感じます
慰霊碑に記されたお名前や年齢を読み 手を合わせる
前に見える澄んだ札内川を眺め
動物たちの気配を感じながら
自然と動物と人間がつくるこの世界の一体感にしばし浸りました
帰りはまた
よしさんが熊に会った話の続き◎
人は
なにかと一緒に生きているとか
なにかの一部として生きている
そういう感覚があると
安心して生きていられるのだなぁと思った七夕でした