粉砂糖

 

 

どうにもこうにも

寒いところは美しい

 

あったかいストーブも大好きですけど

ほかほかのお布団も大好きですけど

 

なんというか

そのあたたかなものたちとは別の種類の仕事をしていて

魂や霊をふくめた身体の細かなところまで

お掃除してくれるよう

 

 

今朝も車を運転する左前方にふと

霧氷をみつけると

それはそれは美しい粉砂糖のせかいが

 

あらら

気づけば右も左も

 

「なんか徳でも積んだかな?」と

思うほどのご褒美があらわれる

 

これを見ることができる目をもっていて

わたしはラッキーだ

 

車を停めて外に出る

瞳いっぱいに

胸いっぱいに

粉砂糖の世界を吸いこむ

 

さむい刺激がつんつんとつっついてくるのがわかる

ほっぺたをもっていてよかった

 

すっぽり粉砂糖に漂白されて頭のなかまですっきりする

 

 

つめたさ

さむさ

それらは死の方向だけど

どうにも美しくて

ふるふると

朝から涙がにじむ

 

生きてる実感が湧く

 

 

わたしはよわいなぁ

生きてることがわからなくなると

どうしてよいか迷ってしまうな

 

でも迷っていてもいいね

さむくてきれいだったもの

真っ白がまっさらにしてくれて

ただ生きていることだけがわかった

 

 

きょうは

美しい粉砂糖が地球からの贈りもの

 

 

明日もさむいから

鬼も福もうちにおいで

 

とにかく今晩もしあわせに

大好きなほかほかのお布団で

家族みんなで眠ろう