あのひとのときが わたしのときになる

 

 

目の前の人にふれているけれど

その人の なにに ふれているのかは見えない

けど交流した感覚が こちらにある

 

見えている身体にただふれているはずなのに

涙をながすその人は 身体だけでないものにふれられたと話す

 

 

だれかの日常や知恵がわたしの瞬間に入り込んでいると感じるとき

この上なく幸せである

 

それは物質的に、 そして

感覚的に入り込んだと思え それがどちらも在るとき

 

入り込ませたのは わたし側である

 

受容するかどうか

決める というほどでもないけれど

ほんの小さな「うん いいよ」「やろうよ やろう」と言う存在がある

わたしという「くに」みたいなものがある

 

 

❄︎

 

simecoさんの桃畑に桃の花の摘花に訪れた4月のこと

 

simecoさんは佐久の農家さんでとてもとても美味しい果物とお米を育てていらっしゃいます

昨年もプルーン収穫のお手伝いを少しさせていただいたのです そしてお仕事の説明も誠実で丁寧で 毎回果物の勉強になってとても楽しいのです

 

 

まさに桃源郷 思わず心が躍ってしまうくらい華やかなたくさんたくさんのお花たち

この花を蕾も含めて落としていく摘花というお手伝いを いやいやお手伝いといえないくらいほんの少しさせていただきました(その後さらに摘花すると仰っていました)

こんなにお花と蕾だけにふれることは生まれて初めてだなと思いながら摘花という果物農家さんに大切なしごとを経験できてありがたいです

 

桃畑を訪れてすぐ 山盛りの枝を正観くんが見つけるとすぐさま小声で「あれで染めれるかな♪」と嬉しそうにいいました

訪れてすぐにそれください、とはとても言えないので摘花のお手伝いを終えてそれはなんの枝ですかと聞きました

「剪定した桃の枝です ほんとはみなさんが来るから片付けなくちゃと思っていたんです」

と話されたので二人でニヤリとし その枝で染めたいので不要でしたら少し分けて欲しいです!とお願いしたら悦んで桃の枝をくださいました

 

 

桃色に染めるのかぁ♡

 

 

と思うとなんでうっとりしてしまうのでしょう?

一緒に何度か染めさせてもらったとき 「枝を細かく切って何度か煮るんだよ」と野原のけんじくんが言いてたなと思い返しながらその通りにやってみたのです

2度煮出しても思ったより色は出なくて 何度か火にかけました ちょうど昨年倉庫から引っ張り出してきたカマドがあり今年は麹のお米も味噌の大豆も煮たので 得意でない焚火もいよいよ慣れてきました

だんだん紅い色が出てきて ひとりで「おぉ、お〜♡」とにんまり小躍りきゅんきゅんしてしまう 桃色パワー ごいすーです

 

あのとき一緒に染めることをさせてくれたのは さいごの収穫の楽しみみたいなものを体験させてくれたんだなとわかる

作業を見たわけではないからこそ ひとり染めの準備をしていて

こんなふうに準備をしていたんだろなとじんわりほっこりして その奥行きに浸ってみるのでした

「なんとありがたいことだ やさしいひとだぁ」

じゅわじゅわうれしくなってしまうものです

 

さてそんなこんなで染めたのです はじめての桃染♡  simeco桃さまの桃染めです♡

竿に引っかかり およぐ桃色の布たち、、、か、か、かわいいーーーー

 

ふれて 桃色をみながら うぅ

うれしい

ぺらぺらめくって

うぅ

いいねぇ

 

 

simecoさんと桃畑 一緒に摘花した美和ちゃんしょーこさん 嬉しそうに「染めれるかな♪」と呟いた正観くん 染めあそびをおしえてくれたけんじくんとのはらちゃん 昨年のsimeco桃の美味しさまでじゅるりと

 

桃色をみてふれていたら  ありありと浮かんできて

うぅ じゅわじゅわじゅわする

なんだこれ

 

まっさらな布に入り込んだ桃色ちゃんに入り込む

 

 

 

お?

こんな感じなのかも

あのとき感じた存在も あのひとの涙もね きっと

じゅわじゅわではないかもだけどなにか

こんな感じのものにふれたんですね

わぁ なんと

 

わたしたちにもふれさせてくれたんですね

あぁ ありがとう

 

 

 

ぽ っ っ

 

桃色にふれてたらそんなことに気づきました

 

 

 

次の満月の日に桃色ちゃんをお手拭きに使おうとおもいます

あそびってたいせつなことをおしえてくれますね